新たな部署で、いきなり部長と激突!!

入社4年、1988年4月にマネージャーになり配属されたのが、

事務・営業系職種の方々対象のメールエントリー(郵送登録フォロー)部門でした。


従来は突然来社する人の相談に乗るという「ハローワーク方式」だったのですが、

郵送で登録を受け付け、呼び込み面談をやって、最終的に転職先をご紹介するのです。


インターネット全盛の今、原始的で笑えるしょう?


当時は来社登録全盛時代で、皆さん予約も無くふらりと相談に立ち寄られるのです。

まさにハローワークみたいな感じですね。


従って、何時にどんな職種の何歳の人がお越しになるかわからなかったんですよ。

その日、何人登録にお越しになるかもわからなかった。


私なんか数年後の来社登録キャリアアドバイザー時代、土曜日当番の時に、

1日新規面談25人と言う記録を作りましたよ。ひゃ~・・・


午後、突然大勢の新規登録の方がお越しになって、当番のキャリアアドバイザーは2人だけ。

同時に7人もの方々を面談するという、めちゃくちゃな事がありました。ひゃ~・・・


こんなバカなシステムはないですよね。

数年後にやっと完全予約制になったんですが、まあそんな原始的な時代です。


*当時ご登録いただいた皆様、行き届かない事が多く、誠に申し訳ございませんでした。土下座



ただ、既に先行してエンジニア対象の技術系職種のメールエントリー(郵送登録)部門はあったのです。


当時から、ソニー様や富士写真フイルム様をはじめとして、有力大手メーカーが、

積極的にエンジニア採用をされていましたから、会社としても注力していました。

技術系の郵送登録担当キャリアアドバイザーだけで10人ぐらいいました。


ふらっと来社される方よりも、郵送で登録される方は、転職意欲が潜在的でフォローは

難しくなりますが、かなりハイレベルな人材が登録されていました。


そこで、事務・営業系職種に関しても、郵送で登録を受け付けようという話になったようで、

その新設セクションに私が異動になりました。


部門の構成は、50代のN部長波平、50代のキャリアアドバイザーGさん、

当時30代の先輩キャリアアドバイザーHさん、同期の企画担当の女性、アシスタントの女性、

それと私という6名体制でした。


そこで、今日の主題の「何が原因で激突したのか?」 です。


N部長波平:「まずは、日経新聞と朝日新聞に、郵送登録促進の広告を出そうじゃないか!!

       初めだから、パッと景気良く大きく出そう!!」


Gさん:「そうですなー、登録者が居ない事には、我々やる事がないですからね。」


私:「広告の出し方が大事ですね。

   今までのように、『相談したかったら直接来社しなさい。』 という高飛車な姿勢ではなく、

   来社しなくても簡易に登録できて、電話でも相談ができるという郵送登録のメリットを

   登録される方の目線に立ってアピールしないといけませんね。」


Gさん:「しかしね、『電話でも相談できる』 なんて言い過ぎると過剰な期待をされるよ。」


:「何が過剰なんですか? 既に技術系郵送グループではやってるじゃないですか?

   電話での相談も積極的に受け付けないと、来社登録グループと同じでしょう?」


Gさん:「君ねー、私は何年もキャリアアドバイザーをやってるんだよ!!

    電話で転職の相談をしようと思っているような

    いい加減な人を相手にする必要はないんだよ。

    ちゃんとした人はね、初めに履歴書と職務経歴書を送って来て

    来社を促せば来てくれるよ。

    それぐらいの覚悟ができている人を相手にしないと

    無駄な仕事だけが増えてしまうよ。」


N部長波平:「武谷(たけや)君、私もGさんがおっしゃる通りだと思うな。

     『まずは、履歴書と職務経歴書をお送りください。追って、こちらからご連絡します。』

     という一文を入れて、転職意欲が高くきちんとした人材を選別すべきだよ。」


:「何を言ってるんですか!!

  お二人が言っている事が、まさに本末転倒ですよ!!

  当社の都合を登録者に押し付けるのではない!! 

  相手の都合にこちらが合わせるんです!!

  やらないなら、この部署はすぐに解散した方がいい!!」


N部長&Gさん波平:「君ー、失礼な事言うな!!

        我々に対して本末転倒とは何事だ!!

        登録者が望めば何でも言う事を聞くのか!!

             人に転職の相談をする為には、自分の履歴書と職務経歴書を

             開示しないと何も始まらないじゃないか!!」


:「時代錯誤ですよ!!

  お二人は、転職を考えている人は

  全てこちらの指示通りに動くと思っているんですか?

  自分が早く帰りたいとか、毎晩電話したくないとか、

  貴方たちの都合じゃないですか!!

  この仕事はサービス業ですよ?」


N部長&Gさん波平:「この若造が!! 

        我々を侮辱するんじゃない!!」


私:「いいですか、『まずは履歴書と職務経歴書をお送りください。』 なんてナンセンスです!!

   初めは簡易なエントリーシートで十分です。

   初めの段階では、名前、年齢、最終学歴、住所、連絡先、職種、できれば在籍企業名ぐらいが

   わかれば十分でしょう?

   技術系郵送グループが使っているエントリーシートと同じで問題ないですよ。

   そこまで敷居を低くしているから、転職意欲が潜在的な人も、

   来社登録ではお目にかかれない優秀な人材も登録してくれるんじゃないですか!!」


N部長波平:「よし、そこまで言うならわかった。

       じゃあ、両方のやり方でやってみようじゃないか!!

       その結果、良い方を今後のやり方にしよう。」


私:「わかりました。そうしましょう!!」



こんなやり取りを大声でやっていたので、同じフロアーの人たちが全員固まってしまいました。


当時、年輩のキャリアアドバイザー波平は、一流大学⇒一流企業の部長・役員 というご経歴の

方々ばかりで、ご年齢も私の父親(当時50歳)より上だったので、私のような若造が

正面から衝突することは常識的には無かったです。


ただ、あまりに顧客無視のトンチンカンな事を言うので黙ってられませんよね。


こんな事があっても、宴会では酒を酌み交わせる人間性豊かな人たちなのですが

初めになめられたら終わりですからね。



結局、この後、H部長波平&Gさんが提唱するやり方と、私が主張した簡易エントリシートで受け付ける

やり方、両方を試しました。お金の無駄だけど・・・。


当然、結果は簡易エントーリシートが履歴書&職務経歴書の何倍も届きました。


また、優秀な人材も簡易エントーリシートの方に圧倒的に多かったのです。



しかし、N部長波平は偉いと思いました。


N部長波平:「今回は、君の提案したやり方が正しかったということだな。」


と、はっきりおっしゃったのを覚えています。



「おかげさん」   みつを



合掌。


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作者

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武谷広人
人材コンサルタント歴27年。 1984年リクルート入社後、現リクルートエージェントに出向・転籍。 その後、JACジャパン(現JACリクルートメント)社長就任。 マンパワー・ジャパンの紹介事業本部長を経て、2005年に独立開業。(株)プロフェッショナル・サーチの代表に就任、現在に至る。人材紹介業の表裏を知り尽くし、人材コンサルタントの転職アドバイザーをライフワークとする。